オリゴ糖って血糖値を上げないんだよね。
市販のオリゴ糖シロップも血糖値を上げないんだよね。
こういった疑問を解説したいと思います。
- 血糖値を上昇させるオリゴ糖とは
- 市販のオリゴ糖商品は血糖値を上昇させる?
- 血糖値を上昇させないオリゴ糖商品を知る
オリゴ糖と血糖値の関係について
血糖値は病気を知らせるシグナル
血糖値が高い状態が続くと様々な病気を引き起こすことが知られています。
詳しくはこちらの記事をみてみてね。
〝血糖値を上昇させないオリゴ糖〟があるのは本当の話
オリゴ糖って血糖値を上げない糖なんだよね。
オリゴ糖の特徴のひとつとして、血糖値を上昇させないことが知られております。
フラクトオリゴ糖摂取後の血糖値および血中インスリンを測定したところ、対照のグルコースの場合は摂取後急速にこれらの値が上昇したが、フラクトオリゴ糖の場合はいずれも上昇が認められなかった。
Glycemic Index(GI値)は、70以上の食品が高GI食品、56~69の間の食品が中GI食品、55以下の食品が低GI食品と定義されている。フラクトオリゴ糖のGI値はほぼ0であり、フラクトオリゴ糖は難消化性糖質で血糖値を上げないため、血糖値が気になる人にも安心して使用できる糖質だと言える。
独立行政法人 農畜産業振興機構 プレバイオティクスとフラクトオリゴ糖~シュガーリプレイスメントから免疫改善まで~
それじゃあ、オリゴ糖は血糖値を上げない食品なんだね。
ただしこのデータは、一般に市販されているオリゴ糖商品ではなく、検査用の100%フラクトオリゴ糖を摂取した場合のものであることに注意です。
お店で売られているオリゴ糖商品には適用されないってこと?
オリゴ糖の種類について
まずオリゴ糖ってなんだ?
オリゴ糖とは複数の単糖が結合した物質の総称です。様々な種類のオリゴ糖が各社から販売されています。
オリゴ糖と一口に言っても、実は様々な種類があるんだね。
血糖値を上げないオリゴ糖を教えてほしい。
難消化性の特徴を有するオリゴ糖(フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳糖果糖オリゴ糖(ラクトスクロース)、ラフィノース、ラクチュロース)はヒトが消化することができない物質であり、体内に取り込まれないので、血糖値を上昇させないオリゴ糖と言えます。
その一方で、イソマルトオリゴ糖はヒトの小腸で消化されてしまうため、血糖値を上昇させてしまいます。
イソマルトオリゴ糖(IMO)は難消化性のフラクトオリゴ糖(FO)とは異なり、小腸である程度消化される。
金子 俊之 (1992) イソマルトオリゴ糖のラットにおける利用性と血清脂質に及ぼす影響 日本農芸化学会誌 66巻 8号 p.1211-1220
ヒトが消化できない難消化性という特徴が重要なんだね。
イソマルトオリゴ糖を使用するのはやめたほうがいいんだね。
血糖値の上昇に気をつけている方は、イソマルトオリゴ糖を主成分にした商品は使わないようにしましょう。
オススメのオリゴ糖についてはこちらの記事で解説しています。
実は血糖値を上昇させてしまうオリゴ糖商品
それじゃあ、難消化性のオリゴ糖商品を使用すれば、血糖値の上昇を抑えてくれるんだね。
スーパーでよく販売されているのは、オリゴ糖シロップだよね。フラクトオリゴ糖や乳果オリゴ糖のものを買えばいいんだよね。
残念ながら砂糖の代わりとして使用できるような市販のオリゴ糖シロップは、難消化性のオリゴ糖を主成分としていても、血糖値を上げてしまいます。
え、どうして?
難消化性のオリゴ糖以外にグルコースやフルクトース、ガラクトースなどの単糖やスクロース、ラクトースなどの二糖を含んでいるためです。
オリゴのおかげを例にして解説します。まず栄養成分を見ると100g当たり、炭水化物72g、乳糖果糖オリゴ糖30.2gとなっています。
オリゴのおかげはラクトースとスクロースを原料にして乳糖果糖オリゴ糖をつくっています。
つまり、乳糖果糖オリゴ糖以外の成分がラクトースとスクロースになるので、(炭水化物72g)-(乳糖果糖オリゴ糖30.2g)した41.8gが単糖や二糖の量になります。
炭水化物=砂糖やオリゴ糖などを含む糖質ってことだね。
栄養成分表にある炭水化物とオリゴ糖の量から、血糖値を上昇させる糖質の量が推測できるんだね。
各社から販売されているオリゴ糖商品の炭水化物量とオリゴ糖成分から単糖・二糖の量を算出してみました。
(100g当たり) | オリゴ糖成分 g | 単糖・二糖 g | 炭水化物 g | 商品画像 |
オリゴのおかげ | 30.2 | 41.8 | 72 | |
クルルのおいしいオリゴ糖 | 40 | 32.5 | 72.5 | |
オリゴの王様 | 14.3 | 54.3 | 68.6 | |
北海道てんさいオリゴ | 7.6~12.0 | 70.4~66.0 | 78 |
オリゴ糖よりも単糖や二糖が含まれている場合が多いね。
表を見るとオリゴ糖成分よりもグルコースやスクロース(砂糖)などの甘味成分のほうが多く含まれていることがよくわかります。
グルコースやフルクトース、ガラクトースなどの単糖、スクロース、ラクトースなどの二糖は、ヒトに吸収されて血糖値を上げてしまうため、オリゴ糖シロップは血糖値を上昇させてしまう商品だと言えます。
同じようにオリゴ糖入り商品もオリゴ糖以外の糖質が含まれているので血糖値が上昇します。
血糖値を上げないオリゴ糖商品はこれだ
それじゃあ、血糖値を上げないオリゴ糖ってなにがあるの?
粉末タイプや錠剤タイプのオリゴ糖はほぼ純品のオリゴ糖なので血糖値を上げません。
粉末タイプや錠剤タイプのものを選択したらいいのね。
必ず栄養成分表を見て、オリゴ糖成分量≒炭水化物量になっているものを選んでください。
(100g当たり) | オリゴ糖成分 g | 単糖・二糖 g | 炭水化物 g | 商品画像 |
キャンハート フラクトオリゴ糖 | 90 | 5 | 95 | |
ニチガ ビートオリゴ糖 | 83 | 2 | 85 |
必ず栄養成分表を見て、オリゴ糖成分量と炭水化物量がほぼ同量のものを購入しよう。
まとめ
- フラクトオリゴ糖や乳糖果糖オリゴ糖などの難消化性の特徴を有するオリゴ糖は血糖値を上昇させないが、イソマルトオリゴ糖のような難消化性の特徴を持たないオリゴ糖は、血糖値を上昇させてしまう。
- 市販のオリゴ糖シロップやオリゴ糖入りの商品は、オリゴ糖以外のグルコースや砂糖などの糖質が多く含まれているため血糖値を上昇させてしまう。
- 粉末や錠剤タイプでオリゴ糖成分量≒炭水化物量のものは血糖値を上昇させない。