人工甘味料ってなんか体に悪いイメージだけど実際どうなの?
人工甘味料は発がん性があるって聞いたけど大丈夫なの?
こういった疑問を解説したいと思います。
- 人工甘味料について知る。
- WHOの人工甘味料の使用に関するガイドラインを解説
- アスパルテームの発がん性について
人工甘味料とは
人工甘味料の定義
人工甘味料ってそもそもなによ?
人工甘味料とは天然に存在しない人工的に化学合成された甘味料のことです。
有名なものとしては、アスパルテーム、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)、スクラロースなどが挙げられます。
これらの人工甘味料は炭水化物に分類されない甘味料のため、非糖質系甘味料とも呼ばれます。
人工甘味料は砂糖のような自然に存在する物質と異なり、人工的に化学合成された甘味料のことで、糖アルコールと合成甘味料がこれに相当する。代表的なものとしてアスパルテーム、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)、スクラロースなどがある。
(独)農畜産業振興機構 人工甘味料の使用に関するWHOガイドラインについて考える
裏面の表示にアセスルファムKみたいな単語をよく見るかも!
砂糖は炭水化物として人のエネルギーになるから、糖質系甘味料なんだね。非糖質系甘味料の人工甘味料とは明確に違うんだ。
人工甘味料の特徴
人工甘味料はどんな特徴があるの?
砂糖に比べて少ないカロリーで強い甘みを得られる特徴があります。
熱量 | 甘さ | |
---|---|---|
砂糖 | 4 kcal | 1倍 |
アスパルテーム | 4 kcal | 200倍 |
アセスルファムK | 0 kcal | 200倍 |
スクラロース | 0 kcal | 600倍 |
アスパルテームは砂糖と同じく1グラム当たり4キロカロリーの熱量があるが、砂糖の200倍の甘みがあるため、砂糖と比べて少量で甘みを実現できる。アセスルファムKやスクラロースは、ともに1グラム当たりの熱量は0キロカロリーで、それぞれ砂糖の200倍、600倍の甘さがある。
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200倍、600倍の甘さってどんな甘さなんだ?
加えて、熱安定性が高く、水に溶けやすい性質をもつため、加工食品をつくるのに適しています。
低カロリーや砂糖不使用、糖質オフ製品に使用されることが多いです。
これらの人工甘味料は熱に安定し、水に溶けやすいため、ダイエット清涼飲料水などの飲料や、ガムや錠菓などの菓子類によく使われている。
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砂糖の代わりとして、低カロリーで甘みを与える手段として使われるんだね。
WHO「人工甘味料の使用に関するガイドライン」
2023年5月、WHOから「人工甘味料の使用に関するガイドライン」が公表されました。本ガイドラインの要旨をまとめてみました。
人工甘味料は体重を増加させる
人工甘味料を長期間摂取すると体重増加した研究結果がでています。
(1)成人を対象とした数カ月の比較的短期間の研究では、人工甘味料の使用が多い方が減量効果を認めたが、年単位にわたる長期間の研究では、むしろ人工甘味料の使用が多い方が体重増加を認めた。
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長期的にわたって人工甘味料を使用すると太るんだ。
人工甘味料にダイエットの効果はない
人工甘味料そのものに体重を減量させる機能はないようです。
(2)砂糖の代わりに人工甘味料を使用する場合にのみ減量効果が認められ、人工甘味料の使用による減量効果は摂取カロリーが減ったことによる影響が考えられた。
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「人工甘味料を摂取したから痩せた」ではなくて、「摂取カロリーが減ったから痩せた」ということだね。
人工甘味料を摂取するんじゃなくて、食べる量を減らしたほうがダイエットに効果的なんだ。
人工甘味料は病気を引き起こす
人工甘味料を長期的に接種すると、糖尿病や脳卒中、心筋梗塞などの病気になるリスクがあります。
(3)人工甘味料による年単位にわたる長期的な影響として、糖尿病、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患、また死亡の危険が高まることが報告されている。しかし、人工甘味料は糖尿病や心血管疾患の危険因子となる血糖値や血清脂質などへの直接の影響は認められていない。
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人工甘味料が糖尿病の原因になるんだ。
砂糖よりも人工甘味料のほうが危険だね。
人工甘味料は妊婦や小児に悪影響を与える
人工甘味料は妊婦や子供にも良い影響を与えません。
(4)人工甘味料の小児への影響について、減量やう歯の予防などが報告されている。また、妊婦においては、早産や出生児のアレルギー疾患との関連について報告されている。しかし、報告数は少なく、小児や妊婦・授乳婦への健康影響はまだ十分明らかではない。
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早産や出生児のアレルギー疾患を引き起こすんだね。
でも子供の虫歯の予防にはなるんだ。
考察
以上の研究報告を受けて、WHOは「減量や生活習慣病の予防のために人工甘味料を使用しないように」と呼びかけています。
人工甘味料の健康影響はまだ不明な点も多く、特に長期的な使用による健康影響については悪影響も考えられることから、WHOは人工甘味料の使用に関して「減量や生活習慣病の予防のために人工甘味料を使用しないように」と提言している。
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みなさんも今一度、人工甘味料との付き合い方を考え直してみてはいかがでしょうか。
これからは食品の裏面表示を見て、人工甘味料を使ってない商品を選ぼうと思ったよ。
アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロースの文字列を見つけたら、買うのを止めようかな。
アスパルテームの発がん性
2023年 人工甘味料のアスパルテームについて発がん性がある可能性がある見解を国際がん研究機関(IARC)が発表しました。
アスパルテームは発がん性がある?
アスパルテームに発がん性があるって本当?
IARCでは様々な物質について発がん性の危険性を以下の4段階に分類しています。
グループ1 | ヒトに対して発がん性がある |
グループ2A | おそらくヒトに対して発がん性がある |
グループ2B | ヒトに対して発がん性がある可能性がある |
グループ3 | ヒトに対する発がん性について分類できない |
今回アスパルテームはグループ2Bのヒトに対して発がん性がある可能性があるに分類されました。
どんながんになる可能性があるの?
アスパルテームはがんの中でも肝臓がんや乳がん、血液のがん(悪性リンパ腫や多発性骨髄腫)と関連している可能性があります。
アスパルテームは、これまでの疫学研究の結果から、肝臓がんや乳がん、血液のがん(悪性リンパ腫や多発性骨髄腫)と関連している可能性が報告されており、グループ2Bに分類された。
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1日何グラムまでなら大丈夫?
どのくらいアスパルテームを食べたら危険なの?
アスパルテームの1日当たりの許容量は体重1kg当たり40mgです。体重60kgの大人で2,400mg、体重20kgの子供で800mgになります。
一方で、食品添加物専門家会議では、アスパルテームの許容一日摂取量(ADI:ヒトが一生涯にわたって毎日摂取し続けても健康への悪影響がないと考えられる1日当たりの摂取量)については1日当たり・体重1キログラム当たり40ミリグラムと、これまで通りの値が適切であることを確認した。
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例えばコカ・コーラ ゼロだとどのくらいまで大丈夫?
コカ・コーラ ゼロに含まれるアスパルテーム量は39.2mg/100mLです。(参考)350ml缶で137.2mgになります。
つまり、1日当たり大人は17本、子供は6本まで飲んでも大丈夫という計算になります。
さすがに1日6缶もコーラ飲まないよ。
でもコーラ以外にも様々な食品にアスパルテームが入っているから、ダイエット食品や低カロリージュースを1日で取りすぎないようにしなきゃね。
ちなみに500mlペットボトルで196mgのアスパルテームが含まれていることになります。
つまり、1日当たり大人は12本、子供は4本まで飲んでも大丈夫という計算になります。
他の食品ではどうなの?
チューインガムではどうでしょう。ACUO グリーンミントに含まれるアスパルテームは1粒当たり3.6mgです。(参考)
1日当たり大人で666粒、子供で222粒まで食べても大丈夫な計算になります。
常識的な食べ方をしていれば大丈夫そうだね。
アスパルテームの許容一日摂取量は、アスパルテームが200~300ミリグラム入っているダイエット清涼飲料水500ミリリットルボトルであれば、1日に8~12本に該当する。また、令和4年度の厚生労働科学研究「生産量統計調査を基にした食品添加物摂取量の推定に関わる研究」では、日本人のアスパルテームの一日摂取量は6.58ミリグラムと推計され、ADIの許容一日摂取量のわずか0.3%程度であることが報告されている。
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そこまで危険性があるってかんじじゃなさそうだ!
今すぐにやめないと危険というわけではありませんが、発がん性があるアスパルテームはできるかぎり意識して摂取しないようにしたいですね。
今後私たちはどうするべきか
人工甘味料については、まだ解明されていないことも多く、「減量や生活習慣病の予防」のために人工甘味料を使い続けることは控えたほうが良いと考えます。
人工甘味料を長期的に使うことの安全性については、まだ明確になっていないことも多く、WHOのいう通り「減量や生活習慣病の予防」のために漠然と人工甘味料を使い続けることは適切ではない。
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まとめ
- 人工甘味料とは人工的に化学合成された甘味料のことである。
- 人工甘味料は砂糖よりも少ないカロリーでたくさんの甘みを与えることができる特徴をもつ。
- 人工甘味料を減量や生活習慣病の予防のために使用するのはやめたほうが良い。
- アスパルテームは、発がん性がある可能性がある物質に分類されている。
- アスパルテームの発がん性の危険性は常識的な食事をしていれば問題ない。