砂糖の製造工程にある分蜜工程、乾燥・冷却工程ってなに?
こういった疑問を解説したいと思います。
- 砂糖の製造工程のひとつである「分蜜工程、乾燥・冷却工程」について深く学ぶ
こちらの記事は砂糖の工場見学シリーズです。他の記事も見てみてね。
動画で解説
結晶化工程で得られた結晶と蜜は分蜜工程と乾燥・冷却工程を経て、私達のもとへ届けられます。
いよいよ終盤だね。
分蜜工程とは?
結晶と蜜をわける「分蜜工程」
前回の結晶化工程では、原料のシロップを真空釜で煮詰めて、砂糖結晶と蜜ができていました。
この結晶と蜜が混ざった「白下」を結晶と蜜に分けるのが分蜜工程です。
蜜を分けるから分密工程かぁ。
遠心力で結晶と蜜を分けます。
遠心分離機の中には網が敷かれています。回転させることで遠心力が生じ、蜜が網の外側に飛びます。そうして網の内側に残った砂糖結晶を回収します。
砂糖の結晶は網の内側に、蜜は液体だから網の外に飛ばされるんだね。洗濯機の脱水みたいだ。
網の内側に残った砂糖を掻き取って回収します。
蜜を飛ばして、結晶だけを回収するんだね。
こうしてできたのがグラニュー糖です。
これがグラニュー糖なんだ。
「分蜜工程」で分けられた「蜜」のゆくえ
網の外側に飛ばされた蜜はどうなるの?
この蜜にもまだ糖分が残っています。この蜜を原料にして再度真空釜で煮詰めることで結晶をつくることができます。
グラニュー糖をつくったときに出た蜜を煮詰めてつくったものが上白糖になります。
上白糖ってグラニュー糖の次につくられるものだったんだね。
さらに煮詰めて…
上白糖の白下も遠心分離して「結晶(上白糖)」と「蜜」に分けます。そして、さらにこの蜜を煮詰めます。
さらに煮詰めると??
何回も煮詰めることでカラメル化が進みます。そうすると褐色の三温糖ができます。
これが三温糖なんだ! 三温糖って何回も煮詰めてつくったものだったんだね。
三温糖はこうしてできていたんだね。さとうきびの風味がある砂糖ってイメージがあったけど、実際は何度も煮詰めて、着色した砂糖だったんだ!
三温糖はきびの風味を残したきび砂糖と違い、砂糖結晶をつくる過程で生じた副産物です。
砂糖会社によっては、三温糖はカラメル色素を使用して着色しています。詳細はこちらの記事で解説しています。
乾燥・冷却工程とは?
分蜜工程で得られた砂糖結晶は水分を含んでしっとりしています。そのため、乾燥器で砂糖に含まれた水分を飛ばします。
砂糖に温風を当てて、その後冷却させるんだね。
砂糖の完成
砂糖の完成です。
こうして砂糖はつくられるんだ。
まとめ
- 分蜜工程では、遠心分離機で「結晶」と「蜜」を分ける。
- 分蜜工程で分けられた「蜜」には、まだ糖分が残っている。この蜜を煮詰めて「上白糖」がつくられる。さらに煮詰めると「三温糖」がつくられる。
- 分蜜工程で分けられた「結晶」は温風を当てて乾燥させる。その後、冷却させる。そうして、砂糖がつくられる。