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【砂糖工場見学ツアー】砂糖工場では意外な方法で砂糖の結晶がつくられている?「結晶化工程」について解説。

砂糖の製造方法を解説「結晶化工程」とは? 砂糖
砂糖
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砂糖の製造工程にある結晶化工程ってなに?

こういった疑問を解説したいと思います。

  • 砂糖の製造工程のひとつである「結晶化工程」について深く学ぶ

こちらの記事は砂糖の工場見学シリーズです。他の記事も見てみてね。

「サトウキビ」から「砂糖」ができるまで
  • サトウキビ
  • 原料糖工場

    サトウキビから原料糖をつくります。

  • 原料糖倉庫

    原料糖を精製工場に輸送して、倉庫に保管します。

  • 洗糖工程

    原料糖の表面についた汚れを取り除く工程です。

  • 清浄工程・ろ過工程

    大きな汚れを取り除く工程です。

  • 脱色・脱塩精製工程

    小さな着色物質を取り除き、透明な糖液をつくる工程です。

  • 今回 
    結晶化工程

    糖液から砂糖の結晶をつくる工程です。

  • 分蜜工程、乾燥・冷却工程

    砂糖を乾燥させる工程です。

  • ふるい分け、包装工程

    砂糖をふるいにかけて、袋詰めします。

  • 砂糖の完成!
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結晶化工程を動画で解説

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結晶化工程とは?

結晶化工程ってなに?

結晶化工程は、これまでの製造工程で不純物を取り除いてできた糖液(ファインリカー)から結晶をつくる工程です。

濃縮工程で結晶つくりの準備

まずは、濃縮工程で糖液を濃縮します。

熱を与えて水分を飛ばし、糖分70%に濃縮する。
THE MAKING (187)砂糖ができるまで

糖分70%ってすごいね。砂糖って水にそんなに溶けるんだ。すごく甘そう。

結晶化する前に糖分70%程度まで濃縮する。

その後、紫外線殺菌します。

紫外線を当てて殺菌し、無菌状態にする。
THE MAKING (187)砂糖ができるまで

こうして砂糖結晶つくりの原料となるシロップができます。

結晶化工程で砂糖結晶をつくる

砂糖結晶はシロップを真空の釜で煮詰めることでつくられます。

シロップを「真空釜」で煮詰めて「結晶化」させる
THE MAKING (187)砂糖ができるまで

てっきり、糖液を冷やして結晶を析出させるのかと思った。

糖液を冷やしても、水に溶けきれなくなったショ糖(スクロース)が結晶としてでてきます。お家でやる砂糖結晶つくりはこちらの方法になります。

一方で糖液を加熱して、水分が飛ばすと、水がなくなった分スクロース濃度が高くなります。この高濃度のスクロース溶液を利用して結晶をつくる方法もあります。効率良く砂糖の結晶をつくることができるため、工業的にはこちらの方法がとられています。

なるほど。

糖液を煮詰めて結晶をつくる。

結晶ができやすいように糖液に細かくすり潰した「粉砂糖」を溶かしていれる。
THE MAKING (187)砂糖ができるまで

煮詰めるときには、結晶ができやすいように粉砂糖を加えます。

結晶化工程では、きれいな結晶ができやすいように、種結晶をいれるのがポイントなんだね。

真空釜に砂糖の種「粉砂糖」と濃い糖液「シロップ」をいれて煮詰める

この粉砂糖が種となって、結晶に成長していきます

すると粉砂糖の1粒1粒が種となり、糖液中の糖がくっついて結晶になる。
THE MAKING (187)砂糖ができるまで

シロップに結晶の種を植えるんだ。

シロップ中の糖分を粉砂糖が吸収して、大きな結晶に成長する。

シロップ中の糖分を種結晶が吸収して、結晶を育てるんだね。

種結晶にシロップ中の糖分を吸わせて、砂糖結晶に成長させる。

普通に煮詰めると温度が高くて、糖液には色がついてしまう。
THE MAKING (187)砂糖ができるまで

なるべく早く結晶をつくるために、煮詰めて水分を飛ばしています。

しかし、大気圧で煮詰めると温度が高くなるためカラメル化が生じて、色がついてしまいます。

どうすればいいの?

そこで、真空下で煮詰めることで、低い温度で沸騰させて、温度が上がらないようにしています。

真空で煮るため55℃の温度でも沸騰して水分が飛び、きれいな結晶ができる。
THE MAKING (187)砂糖ができるまで
真空下で煮詰めると、55℃程度で沸騰し、着色することなく煮詰めることができる。一方で、大気圧下で煮詰めると100℃で沸騰し、カラメル化が進み、着色してしまう。

真空を引いて、低温下で沸騰させているんだね。

真空を引くことで、低温下で沸騰させて、糖分が着色しないように結晶をつくる。

しばらく煮詰めて、砂糖結晶と蜜(シロップの余り)ができたら完成です。この状態は白下と呼ばれていて、結晶と蜜が混ざった状態です。

やったー 砂糖の完成だ。

こうしてできた結晶と蜜を「白下」とよぶ。
THE MAKING (187)砂糖ができるまで

次はこの結晶と蜜を分ける工程だね。

「サトウキビ」から「砂糖」ができるまで
  • サトウキビ
  • 原料糖工場

    サトウキビから原料糖をつくります。

  • 原料糖倉庫

    原料糖を精製工場に輸送して、倉庫に保管します。

  • 洗糖工程

    原料糖の表面についた汚れを取り除く工程です。

  • 清浄工程・ろ過工程

    大きな汚れを取り除く工程です。

  • 脱色・脱塩精製工程

    小さな着色物質を取り除き、透明な糖液をつくる工程です。

  • 終 
    結晶化工程

    糖液から砂糖の結晶をつくる工程です。

  • 次回
    分蜜工程、乾燥・冷却工程

    砂糖を乾燥させる工程です。

  • ふるい分け、包装工程

    砂糖をふるいにかけて、袋詰めします。

  • 砂糖の完成!
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まとめ

  1. 結晶化する前に糖分70%程度まで濃縮する。
  2. 種結晶にシロップ中の糖分を吸わせて、砂糖結晶に成長させる。
  3. 真空を引くことで、低温下で沸騰させて、糖分が着色しないように結晶をつくる。