砂糖の製造工程にある清浄工程とろ過工程ってなに?
こういった疑問を解説したいと思います。
- 砂糖の製造工程のひとつである「清浄工程」について深く学ぶ
こちらの記事は砂糖の工場見学シリーズです。他の記事も見てみてね。
清浄工程とは?
清浄工程・ろ過工程を動画で解説
清浄工程ってなに?
清浄工程は、粗糖液(ローリカー)に含まれた不純物を取り除く工程になります。
ローリカーに消石灰(水酸化カルシウム)と炭酸ガスを加えます。すると化学反応が生じて、炭酸カルシウムが生成します。
Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3 + H2O
このとき生成する炭酸カルシウムがローリカー中の不純物を包み込んで沈殿します。
CaCO3(炭酸カルシウム)の沈殿が生成する際に、糖液中の不純物も同時に凝集されるんだね。
ところで消石灰ってなに?
消石灰の原料は石灰石です。
原料の石灰石は、全国各地で産出・採掘されています。鍾乳洞は、石灰石が長い年月を掛けて成長した物です。
石灰石を炉で焼成してCO2を飛ばした物が生石灰CaO(酸化カルシウム)です。そして、生石灰に加水して消化、熟成させた物が消石灰です。
上水処理、下水処理、焼却設備などで使用されている。
一般家庭用途では園芸用肥料・漆喰・グラウンドのライン引き等でも使用されており、活躍の場面は多岐に渡ります。
ヘイシンモーノポンプ 消石灰って何?
小学校とかでグラウンドのライン引くやつか!
ろ過工程とは?
次にろ過工程で、沈殿した炭酸カルシウムと糖液を分けます。
沈殿物はろ過フィルターを通らないから、汚れを取り除かれて綺麗な液体になるんだね。
こうしてできた糖液はブラウンリカーと呼ばれます。
粗糖液(ローリカー)
ブラウンリカー
茶色のローリカーから黄色っぽい色のブラウンリカーになったね。
ここまでが清浄工程・ろ過工程になります。
ブラウンリカーにもまだ色が残っています。この先も色素、無機塩などの不純物を取り除いて透明な糖液に仕上げていきます。
次は脱色・脱塩精製工程だね。ブラウンリカーはどのような工程を経て透明な液になるんだろう。
まとめ
- 消石灰に炭酸ガスを吹き込んだ際に生成する炭酸カルシウムの沈殿を利用して、粗糖液中の不純物を取り除く。
- 沈殿・凝集した不純物がろ過工程により取り除かれ、ブラウンリカーが作られる。