砂糖ってどうやってつくっているの?
収穫されたサトウキビはどのようにして砂糖になるの?
こういった疑問を解説したいと思います。
- 「サトウキビ」からどうやって「砂糖」がつくられるのか
- 原料糖とは?
こちらの記事は砂糖の工場見学シリーズです。他の記事も見てみてね。
サトウキビから原料糖ができるまで
サトウキビの収穫
砂糖の原料はサトウキビと甜菜糖なんだね。
サトウキビは例年クリスマスのころから収穫が始ます。サトウキビは収穫後すぐにトラックいっぱいに積まれて原料糖工場に運ばれます。
過積載!!こんなに積む必要あるの?
サトウキビは刈り取られたあと、時間と共に糖度が落ちていきます。だから1秒でも早く、多くのサトウキビを原料糖工場に運ぶ必要があります。
実際には、原料糖工場に着いたときに糖度を測定して、買取価格が決めます。糖度が高い方が高く原料糖工場に買い取ってもらえる背景があります。
サトウキビを工場に高く買い取ってもらうための対策なんだね。
原料糖工場
原料糖工場で、サトウキビは細かく裁断されて、サトウキビジュースが作られる。
サトウキビをしぼっているんだね。自然のジュースだ。
サトウキビをしぼってできたジュースとしぼりカスを分けます。しぼりカスは重さがあるから沈みます。
ジュースに熱をかけて濃縮します。
濃い糖液をつくって、結晶をつくるんだね。
濃縮した濃いジュースの中に含まれる水分を飛ばして、砂糖の結晶をつくります。
これで原料糖というものができます。原料糖はその名のとおり、白い砂糖の原料になる砂糖です。
この状態でもまだ白い砂糖をつくるための原料の段階なんだね。
原料糖とはなにもの?
この原料糖は沖縄から本州の精製糖工場に運ばれて、普段目にする白い砂糖になります。
甘蔗糖は、ふつう生産地では原料糖(粗糖ともいう)の形につくられます。これは糖度が96~98度の黄褐色をした砂糖です。
これが消費地へ運ばれて精製され、グラニュ糖や上白糖などの精製糖になります。場合によっては、生産地で直接白砂糖をつくることもあり、これを耕地白糖といいます。
原産地の小規模工場で、甘蔗から搾った汁をそのまま煮詰めてつくる砂糖もあります。日本の黒砂糖(黒糖)などがこれに当たります。
株式会社明治フードマテリア 砂糖事業
でもどうして沖縄で原料糖をつくってから、本州の工場で白い砂糖をつくるの?
沖縄の原料糖工場で原料糖をつくる理由として、品質の劣化を抑えることが挙げられます。サトウキビを現地で一度結晶化させて、化学的に安定な砂糖結晶を作ることで、品質の劣化を抑えています。
収穫された後のサトウキビや液体のサトウキビジュースで本州に輸送しようとすると、輸送途中で糖度が下がったり、微生物に汚染されたり、液体のジュースは結晶が析出したりして、品質が安定しないのです。
安定した品質の砂糖原料を調達するために、原料糖をつくるんだね。
この原料糖でも食べられそうだけど、販売されていないの?
食品なのでもちろん食べることができます。原料糖は一般には”粗糖”という名前で販売されています。自然の風味が残った砂糖です。
原料糖は砂糖以外の成分が含まれているから黄褐色になっています。それに糖度が96~98度とスクロース純品になっていません。この原料糖を糖度100度程度まで精製するのが、精糖会社になります。
逆に、原料糖を精製せずに煮詰めたものが、黒砂糖・黒糖になります。
黒砂糖や黒糖については↓の記事にまとめたよ。
- サトウキビはクリスマスシーズンに収穫が開始されて、すぐに原料糖工場に運ばれて結晶が作られる。
- サトウキビは収穫後、糖度が減少が著しいため、急いで処理する。
- 原料糖には砂糖以外の物質が含まれている。
原料糖から精製糖へ
この原料糖が製糖工場に運ばれて、そこからいくつかの工程を経て、白い砂糖が作られるのね。
次は洗糖(せんとう)工程なんだね。どんなことをするんだろう。
まとめ
- サトウキビの収穫後、原料糖工場で原料糖がつくられる。
- 原料糖は精製工場でグラニュ糖や上白糖などの精製糖が作られる。