
砂糖の製造工程にある結晶化工程ってなに?
こういった疑問を解説したいと思います。
- 砂糖の製造工程のひとつである「結晶化工程」について深く学ぶ
こちらの記事は砂糖の工場見学シリーズです。他の記事も見てみてね。
結晶化工程を動画で解説
結晶化工程とは?

結晶化工程ってなに?
結晶化工程は、これまでの製造工程で不純物を取り除いてできた糖液(ファインリカー)から結晶をつくる工程です。
濃縮工程で結晶つくりの準備
まずは、濃縮工程で糖液を濃縮します。


糖分70%ってすごいね。砂糖って水にそんなに溶けるんだ。すごく甘そう。
その後、紫外線殺菌します。

こうして砂糖結晶つくりの原料となるシロップができます。
結晶化工程で砂糖結晶をつくる
砂糖結晶はシロップを真空の釜で煮詰めることでつくられます。


てっきり、糖液を冷やして結晶を析出させるのかと思った。
糖液を冷やしても、水に溶けきれなくなったショ糖(スクロース)が結晶としてでてきます。お家でやる砂糖結晶つくりはこちらの方法になります。
一方で糖液を加熱して、水分が飛ばすと、水がなくなった分スクロース濃度が高くなります。この高濃度のスクロース溶液を利用して結晶をつくる方法もあります。効率良く砂糖の結晶をつくることができるため、工業的にはこちらの方法がとられています。

なるほど。

煮詰めるときには、結晶ができやすいように粉砂糖を加えます。

結晶化工程では、きれいな結晶ができやすいように、種結晶をいれるのがポイントなんだね。

この粉砂糖が種となって、結晶に成長していきます。


シロップに結晶の種を植えるんだ。


シロップ中の糖分を種結晶が吸収して、結晶を育てるんだね。

なるべく早く結晶をつくるために、煮詰めて水分を飛ばしています。
しかし、大気圧で煮詰めると温度が高くなるためカラメル化が生じて、色がついてしまいます。

どうすればいいの?
そこで、真空下で煮詰めることで、低い温度で沸騰させて、温度が上がらないようにしています。



真空を引いて、低温下で沸騰させているんだね。
しばらく煮詰めて、砂糖結晶と蜜(シロップの余り)ができたら完成です。この状態は白下と呼ばれていて、結晶と蜜が混ざった状態です。

やったー 砂糖の完成だ。


次はこの結晶と蜜を分ける工程だね。
まとめ
- 結晶化する前に糖分70%程度まで濃縮する。
- 種結晶にシロップ中の糖分を吸わせて、砂糖結晶に成長させる。
- 真空を引くことで、低温下で沸騰させて、糖分が着色しないように結晶をつくる。